2010年3月29日月曜日

未来スケッチ~経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある

ここ数日は冷え込んでいますね。

今日も ずいぶん寒いな と感じましたが、
街路樹の桜は確実に開花に向かっていました。

毎日同じように感じるけど、
少しの変化が大きな変革をもたらすのですね。

たまに当たり前の風景を改めて見ると、
大きな氣づきを得るかも?


今回は株式会社イー・エム・ズィーさんにご献本頂いた、
『未来のスケッチ』のレビューです。

今回も元気に行きましょう!


題名:未来スケッチ~経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある
著者:遠藤功 さん
出版社:あさ出版
定価:1,470円(税込)
ISBN:978-4-86063-382-0



【 レビュー 】

著者の遠藤さんは早稲田大学ビジネススクール教授であり、
旭山動物園と直接関係ありません。

厳しい経営環境の下で活力を失いかけている日本企業。

その新たな再生の道標を示す手本として、
廃園の危機から入園者数12倍になった、
旭山動物園の経営をテーマにした本です。


北海道の市立動物園である旭山動物公園は毎年3億円の赤字続き。

当時は「スター」動物もいない、
正職員20名の廃園寸前の市政の「お荷物」施設でした。

それが現場で働く飼育員たちの努力と想像力を活かし、
「王者」上野動物園に負けない年間来園者300万人を達成。

旭山動物公園はある時期、
ある機会に方針を変えて成功したのではなく、
遊園施設や展示場の「ハード」に頼ったわけでもありません。

問題は「ハード」ではなく「ソフト」。

旭山動物公園大成功の原動力は開園当初から変わらない理念、
「動物のすごさ、美しさ、尊さを伝えたい」です。

旭山動物公園は全職員の「ソフト」を具現化しただけです。
「ソフト」の表現方法を変えることで大成功したのです。

つまり毎年3億円の赤字が続いていた時期から今まで、
「ソフト」は大きく変わっていません。

これはすごいことですね!


理念具現化の手法として「串団子」や「スケッチ」、
「顧客の感動」があります。

著者の主張通り、
その経過や思いは企業再生の確かな手本になるでしょう。

経営者や責任ある立場の方が実践する大きな道標、
さらに確信になる内容が満載です。


企業=職員の総力=個人集団 といえます。

強い企業は「明るく」「正直」「前向き」。

また、思いを「描き」「伝える」チャレンジャーでもあります。

これはそのまま、
個人のコミュニケーションに活かせると思いませんか?

企業に効果あることは個人でも有効活用できます!


私たちはまわりに合わせて変化するのを評価基準にしてきました。

ところが「明るく」「正直」「前向き」で変化しない、
思いを「描き」「伝える」チャレンジャー。

今や世界はそのような人を求めているのではないでしょうか?


経営者や責任者に関わらず、
全ての方にご一読されることを強くお勧めします。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。