2010年4月8日木曜日

会社再生ガール

東京都渋谷区周辺は桜が満開になりました。

あなた様の地元ではどうですか?


近所の目黒川には連日、
大勢の方が桜見物に訪ねられていらっしゃいます。

今年は家族連れと高齢の方が多いようです。


そこで日頃、
家族同士や高齢の方と外出する機会が少ない方にご提案。


暖かくなった今、花見を理由に一緒に外出してはどうでしょう?

意外な話が聞け、思った以上に楽しく過ごせるかもしれませんよ。


今回も元気に行きましょう!


題名:『会社再生ガール』
著者:田中伸治 さん/イラスト:久織ちまき さん
出版社:青月社
定価:1,575円(税込)
ISBN:978-4810912180
発売日:2010/4/2



【 レビュー 】

一般になじみの薄い「企業再生」について書かれた本です。

と言っても、難しい理論や手段は多くありません。

主人公の 会社再生コンサルタント:相馬明日美 が大活躍する、
実務書とエンターテイメントを兼ねた、
素晴らしいビジネスエンタメ小説になっています。


実は小説や物語は知識や経験を伝えるのに最も適した手段なんです。

その昔「師匠は弟子に奥義を物語に比喩して伝えた」と聞きます。

弟子は師匠と違う比喩を返すことで、
初めて皆伝を認めらたそうです。

現在に残る昔からの童話や物語も、
実は比喩で隠されたメッセージがあると指摘される学者もいます。

日頃、縁のない業種や知識を読む時、
こういったビジネスエンタメ小説形式はとてもありがたいですね。


『企業再生ガール』は老舗温泉旅館再生の物語です。

経営難の老舗温泉旅館に
2社の企業再生コンサルタントが関わります。

1社は温泉旅館の経営者を破産させ、
資産をバラ売りして自社利益を獲得するのが目的。

1社は温泉旅館の資産を見極め、
温泉旅館の経営者自身で立ち直るように手伝うのが目的。

意図が正反対の企業再生コンサルタント。

でも、温泉旅館の経営者はその意図を見抜けないんです。

まあ、知らない世界の判断はできない、
そう言えばそうかもしれません。


ところで、似たような経験はありませんか?

組織保全を第一に考える企業。

安全だと信じていた食品が危険だったり、
欠陥を隠したまま販売された商品類。

最近ではトヨタが話題になりましたね。

今日も少なくなくない話題がニュースを賑わせています。


私たちは「企業再生ガール」の老舗温泉旅館の経営者同様、
常に判断を求められる世界に生きています。

同じように見えるけど、
その結果は天と地ほど大きく違いますよね。


一見、同じように見えても、
やはり両社の違いは必ずあるんです。

ではその違いはどこ??


違いに氣付くには 見極力 が大事。

見極力 は量稽古で最も強く養われます。

量稽古には時間と経験が必要ですよね。


老舗温泉旅館の経営者は何を見て、何を信じたのだろう?

その立場なら、どこでその違いを見極めるだろう?


そんな事を考えながら、
見極力 を養うつもりで読むのも、
またひとつの楽しみ方かもしれません。


いずれにしてもスラスラ読めて読み応えもある、
ビジネスエンタメ小説です。

主人公の台詞回しも楽しく、
単純に娯楽小説として十分楽しめます。


ご興味を持たれた方は一読されることをお勧めします。


追伸:

JUSTSYSTEM が運営されていた JUSTBLOG が運営終了し、
本日、ここにページを移動させました。

この経験は読後の氣づきに通じますね。

今後、パートナーを慎重に選ぶ事を学ばせてもらいました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。